あなたはどんなときに「怒り」を感じますか?
子どもと過ごすことが多いと、ついイライラしてしまいますね。
わたし怒りすぎかな・・・と思ったあなたは、一度危険な「怒り」を確認してみてください。
もくじ
危険な「怒り」のサイン
喜怒哀楽という言葉があるように、「怒り」とは、誰しもがもつ自然な感情のひとつです。
しかし、自然とは言い難い、問題となる「怒り」もあります。
常にイライラしている(怒りの頻度)
毎日のようにイライラしている人。人の言葉に対して「カチンとくる」ことが多い人は、怒りの頻度が他人より高いといえます。
イライラは周りに伝染しやすいもの。常にイライラしている人は、家族や同僚、園児に不安を与えたり、逆にイライラさせている可能性があります。
大人になら、注意を受けたりすることもあるかもしれませんが、それが子どもの場合、じっとおびえて我慢していることがあるかもしれません。
ヒステリックに叱ってしまう(怒りの強度)
一度怒ったら止まらないという人。相手がなだめたり、謝っていても、自分の気の済むまで怒りを周りにぶつけている人がいます。息もつかずに相手を怒り続けてしまう、怒った後に息が上がってしまうほど。そういう人は要注意です。
周りの人も、強い感情をぶつけられ振り回され、疲れ果ててしまいます。
根に持っていることがある(怒りの持続)
何年もたっていることを思い出すと、いまだに強い怒りを感じることはありませんか?
昔のことでムカつく度に、怒りの感情が増幅し、より大きなものになってしまいます。さらに、ちょっとしたことであったかもしれないのに、恨みや憎しみ、憎悪へとせいちょうしてしまうのです。
はじめの原因から離れてしまい、複雑な感情に変化してしまうこともあるので、小さな怒りのうちに対処できるようにしたいですね。
手が出ることがある(怒りの攻撃性)
子どもに手が出ることは、もちろん虐待です。絶対にしてはいけません。
手がでてしまわないにしても、誰かを責める、自分を責める、物に当たるなど、「怒り」の矛先を何かに向けてしまうことが「攻撃性のある怒り」となります。
この怒りの場合、人間関係を壊してしまったり、自分を責めてしまい、必要以上に落ち込んだりしてしまいます。
物に当たることですっきりするかもしれませんが、それは根本的な解決にはならず、どんどんエスカレートすることもあるでしょう。
↓こちらの本を参考にしています
![]() |
子どもと関わる人のためのアンガーマネジメント 怒りの感情をコントロールする方法 [ 一般社団法人アンガーマネジメント協会 ]
|
子どもと関わる人のためのアンガーマネジメント
「怒り」を抑える方法
覆水盆に返らず
怒りを感じたとたん、すぐに声を発したりと行動してしまい、後悔したことがありますよね。だからといって、怒りの感情を我慢したままでいることも、怒りが蓄積していき、ちょっとしたことで爆発してしまうこともあります。
強い怒りをもつと、判断力が低下してしまいます。おもいきり怒ることで感情を吐き出すとすっきりするかもしれませんが、「あんなことを言わなければ良かった」と急激に落ち込んでしまうのです。
感情を、怒ることで思い切り「高」までもっていったのですから、そのあと一気に「低」まで下がってしまうというわけです。
そんなことにならないように、以下の3点を頭に入れておきましょう。
6秒待つ
怒りの感情は6秒がピークとなり、そこからだんだんと落ち着いていくそうです。
衝動的にイラッと感じたときは、心の中で「1.2.3.4.5.6」と深呼吸しながらゆっくり数えるようにしましょう。
6秒後には、衝動的に発しようとした言葉を自分の中に一度戻すことができ、冷静に話をしようと心がけることができます。
【例えば】
手洗い場で水遊びをしてしまっている子ども達を見たとき、
「こら!またこんなことして!」と怒鳴るのではなく、
「あ~あ~」とでも言いながら、心の中で6秒待ちます。
すると、子ども達も自分で気づくこともありますし、気付かないにしても水道をとめながら「水道では遊んだらいけないよ」と丁寧に伝えることができます。
自信がない方も、誰かと話をするときに、ゆっくりと話をする練習をしておくと、相手との言葉のキャッチボールの中で突発的な発言をすることが減ってきますよ。少しずつ訓練していくことが大切です。
「だいじょうぶ、だいじょうぶ」
相手の言葉や態度にカーッとなった時は、頭に血が上り、呼吸が短くなり、体も熱くなって興奮している状態です。
一度、冷静になるために、「怒り」から意識をそらせるための「言葉」を自分に向かって伝えるようにしましょう。
怒りや嫌な気分が募っていくとき「だいじょうぶ、だいじょうぶ」「問題ない」「怒らないようにどうすればいい?」と自分の心に話しかけるのです。
【例えば】
部屋で集まりたいのに、子ども達が走り回ったり騒いだりして声が届かないとき
「もう!静かにしなさい!」と大声で怒ってしまうのではなく
「だいじょうぶ、こんなときはどうしよう?」
と自分に問いかけることで、近くにいる子だけにクイズを出したり、マジックをみせたりして、興味をもってみんなが自然に集まってきてくれるなど、対処を考えることができますよね。
いつも自分が冷静になれる「魔法の言葉」を用意しておくと、落ち着いて子どもに対応することができるはずです。
怒りレベルをイメージする
あなたは怒りを表現するとき、どのように表現していますか?
たとえば、行事の練習で列を乱してしまった子と、怪我をしそうな危ない場所にいた子を同じような口調や強さで怒っていたりしませんか?
怒りすぎてしまう人は、今の自分の怒りがどのようなレベルのものなのか図れず、怒りの感情をコントロールできないでいることが理由のひとつにあげられます。
怒らない「0」か、怒る「10」か、ということです。
「10」怒りが爆発、憤慨する
「9」爆発寸前、カッとなる
「8」 ↑
「7」腹が立つ
「6」 ↑
「5」イライラする
「4」 ↑
「3」イラッとする
「2」 ↑
「1」もやっとする
「0」怒ってない穏やかな状態
このように、怒りをレベルで考えると、たいしたことがないのに怒りすぎてしまった、とうことを少なくできます。はじめの内は、今日の怒り方はどうだっただろう?と自分で振り返ることで、同じようなことが起こったときに「これは、どのレベルかな?」と考えることができるようになっていきます。
身体の不調が関係しているもの
上記の3つの方法を試してみても、自分の行動が改善していかない。という人は、一度自分の身体の状態を考えてみる必要があります
精神的な病気
常に人に対して怒りすぎてしまうという人は、何らかの心の病気が関係している場合があります。例えば、双極性障害などでは、躁状態のときには、気持ちが高ぶっているため、イライラしやすかったり怒りっぽくなったりします。診察によって他の病気が見つかることもあるので、自分で度が過ぎることを不安に思っている方は、一度受診してみてください。
PMS,PMDD
生理前になると、自分の感情が抑えられない、という方は、女性ホルモンの影響が考えられます。月経前症候群(PMS)、月経前不快気分障害(PMDD)の婦人科系の病気も疑ってみてください。薬の処方だけでなく、自分の辛い思いを理解してもらえるため、軽く捉えず、受診するようにしましょう。
鉄欠乏症貧血
実は、うつと間違えられやすいのがこの鉄欠乏症貧血という病気です。
「イライラする、怒りっぽい。気分が落ち込んだり、やる気が出なかったり、疲れやすい・集中力がない」など、うつ病と同じ症状が出ます。
健康診断などで、貧血の値が出ている人は、放っておくのではなく、内科に行って診断してもらい、鉄剤を処方してもらったり、鉄分をとる食事をとるようにしましょう。
妊娠うつや産後うつも、鉄分不足からくるものもあるそうです。
さいごに
私も、保育士になってからイライラすることが増え、悩むことが多くありました。
私の場合、学生のころからPMSと貧血があったのですが、
あまり病院に行かないタイプだったので、
放っておいたらだらだらと何年も悩むことになってしまいました。
あまりにも貧血がひどくなり、
倒れそうになってやっと鉄剤と婦人科の漢方を飲むようになり
最近では、イラッとする気持ちがほとんど湧き上がってこなくなりました。
とても不思議な感じです。
薬を飲む前は、たくさんのイライラや怒りに関する本を読み
実践するように努力しました。
なんだかんだ、その回り道も、今の自分には役に立ったかなと思います。
いま、苛立つことで悩んでいる方に伝えたいのは
「イライラをそのままにしないこと」です。
はじめは、我慢すればいいと思っていましたが、
案の定、爆発したこともあります(笑)
人間なので、「怒り」の感情がなくなることはありません。
みなさんも「怒り」と上手く付き合っていく方法を見つけてくださいね♪
参考書籍「子どもと関わる人のためのアンガーマネジメント」 合同出版
一般社団法人 日本アンガーマネジメント協会
![]() |
子どもと関わる人のためのアンガーマネジメント 怒りの感情をコントロールする方法 [ 一般社団法人アンガーマネジメント協会 ]
|
![]() |
「もうイライラしたくない!」と思ったら読む本 人間関係に困ったあなたへ [ 心屋仁之助 ]
|
2020.5.1