2020.8.4
もくじ
水痘(みずぼうそう)とは?
一般に「水ぼうそう」とよばれる「水痘」は、
全身に強いかゆみのある水疱ができるのが特徴で発熱も現れます。
冬から春にかけて流行するとても感染力の強いウイルスです。
子どもに多いイメージですが、大人にも感染し、
その場合は重症化してしまう可能性が高いといわれています。
原因ウイルス
水痘の原因となる水疱・帯状疱疹ウイルスはヘルペスウイルスの一種で、
感染力が非常に強く、保育園幼稚園などで流行すると、一気に感染が広がります。
ワクチンを接種して抗体ができれば、効果は一生続くと言われています。
2014年10月から、水痘ワクチンが定期接種となったため、
現在、保育園や幼稚園に通っている子たちは、抗体ができている子が多いかと思います。
入園時、年度ごとの予防接種の確認をし、しっかりと受けてもらうようにしましょう。
水疱・帯状疱疹ウイルスにかかった人の体内には、ウイルスがずっと残り、
ストレスや加齢によって、免疫力が低下すると、
ふたたび「帯状疱疹」として再発することがあります。
水痘(みずぼうそう)の症状
発熱
38℃前後の発熱が2~3日続きます。
発疹
全身に赤い小さな発疹が現れます。
発疹は水ぶくれとなり、最後に黒いかさぶたとなります。
とても強いかゆみをともないます。
潜伏期間
14~16日
感染経路
飛沫感染
鼻水やくしゃみによって感染します。
接触感染
水ぶくれを触ってしまうことで感染します。
空気感染
くしゃみなどによって排出されたウイルスが空気中をさまよい
それを吸ってしまうことで感染します。
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保育園での感染対策
水痘は、免疫力がない場合、ほぼ100%感染するといわれるほど
強い感染力があります。
予防接種歴・罹患歴の確認
保育園で水痘が発生した場合、
園児の予防接種履歴と感染症の罹患の有無の確認をしましょう。
水痘ワクチンの予防接種
水痘ワクチンはふつう、生後12ヶ月~15ヶ月までに1回目を、
その後、半年~1年後に2回目を接種します。
緊急のワクチン接種
園内で感染が発生した時に
まだ水痘のワクチン接種をしていない園児がいる場合、
嘱託医と相談しましょう。
発症者と接触した後、72時間以内にワクチンを接種すれば
発症を予防できる可能性があります。
園内の消毒
こどもの使うおもちゃはもちろん、
ドアノブ、スイッチ等の複数の人が触れる場所の消毒をしましょう。
妊婦への感染を防ぐ
妊婦が水痘に感染してしまうと、重症化するリスクが非常に高くなります。
妊娠20週までの妊婦が感染すると、低体重や手足の異常など先天性水痘症候群で
生まれてくる可能性があり、出産前後での感染の場合でも、合併症や死亡のリスクがあります。
保育園で水痘が発生した場合、妊婦への感染の防止も重要です。
妊娠中の保護者・職員には、すぐに水痘の発生を知らせ、
送迎時の工夫や勤務について配慮が必要となります。
罹患した子どもの登園のめやす
「全ての発疹がかさぶた化していること」
出席停止後の登園について
医師に診断された日から医師の許可が出るまでが
出席停止期間となります。
受診して発病がわかった場合は、園に連絡してもらう、
医師に
「学校感染症等に係る登校・登園に関する意見書」
や「登園許可証明書」に記入してもらうなど
あらかじめ入園時にルールを確認してもらうようにしましょう。
「意見書」や「登園許可証明書」は、入園時に配っておいたり
園のホームページ等からダウンロードできるようにしておくなど
準備しておきましょう。