「私は発達障がい?」と悩んでいる…
いろんなことに敏感になりすぎて辛い…
もしかしたら、HPSという気質のせいなのかもしれません。
もくじ
HSPってなに?
HSP(Highly Sensitive Person:非常に敏感な人)とは、
アメリカの精神分析医エレイン・N・アーロン博士が提唱した概念です。
それまで、内向的、引っ込み思案、怖がりなどといった性格を、
音や匂い、環境による刺激や人の気持ちに敏感すぎる点に注目し、
SPS(感覚的処理過敏性)の高い人をHSPと呼びました。
SPS(感覚的処理過敏性)とは、
視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚などの五感や、平衡感覚、内臓感覚など人間が持っていると言われる12以上の感覚のことです。
病気ではなく、その人の気質
HSPは、病気ではなく、生まれ持った気質であり、15~20%程度存在するといわれています。
保育園の職員の、5人に1人は、HPSでもおかしくないのです。
![]() |
HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン) の教科書 【HSPかな? と思ったら読む本】 (シリーズ こころの教科書) [ 上戸えりな ]
|
空想好きなぼーっとした子ども
実は、私もHSP気質をもつ保育士です。
子どものころは、いつもぼーっとしていたり、空想していたり、
誰かが呼んでいても、近くに来て肩をたたかれるまで気付かない子でした。
自分はのんびりとしたマイペースな子どもだったのだろう、と思っていたのですが
みんなとお昼寝することが苦手だったり、泥で汚れることを嫌ったりと
お便り帳には、「神経質」と何度も書かれていました(笑)
自己肯定感も低く、他人の一挙一動に悩む性格。
自分はおかしいのかな?発達障がいじゃないのかな?と
悩むこともありました。
しかし、この「HSP気質」が書かれた本に出会い、
「これだ!!」と納得。
現在は、自分自身の気質なのだ!と心が楽になりました。
【オススメの本】
書き込み式で自分の特徴に気付けます。
敏感すぎて生きづらい人のこころがラクになる方法
![]() |
敏感すぎて生きづらい人のこころがラクになる方法 [ 長沼睦雄 ]
|
自分はHSP?ー項目をチェックー
【HSPの特徴】
①物事を深く考えてしまう。
メニューを選ぶ時に時間がかかってしまう。考えすぎて行動に移せない。
他人の一挙一動をあれこれ深く考えてしまう。
②刺激に弱い。
人ごみが苦手。誰かと遊ぶと家に帰ってぐったり疲れてしまう。
人前に出ることが苦手。暑さ寒さに敏感。上司からの叱責に傷つきやすい。
痛みに敏感。
③共感力が高い。
空気を読みすぎる。人の顔色をうかがう。涙もろい。
動物や植物と会話できる・心が通じている。
④強い光や音、匂いに敏感。
騒音や強い臭いだけでなく、小さな音やかすかな光、においや人の雰囲気に敏感。
カフェインに敏感。アレルギーじゃないのにどうしても食べられないものがある。
①~④の中のどれかに当てはまれば、HSPである可能性があります。
また、以下のような特徴のある人も、HSP気質の可能性が高いです。
・疲れると暗い部屋などで一人になりたくなる。
・想像力が豊かで、空想が好き。
・美術や音楽で感動する。
・困っている人に手をさしのべる。
・他人がしてほしいことによく気がつく。(空調を変える。電気の明るさを変えるなど)
・ミスをしないか、忘れ物をしないかビクビクする。
・暴力的な番組や動画が嫌い。
・すぐ驚いてしまう。
・周りがあわただしいと落ち着かず、イライラする。
・短時間でたくさんのことを頼まれるとパニックになる。
・子どもの頃、大人から神経質だとか、内気と言われていた。
HSPを、より詳しくチェックしたい方はこちら
◎HSP診断テスト https://hsptest.jp/
どうすればいいの?HSPな自分との向き合い方
HSPはステキな気質
HSP気質を持っている人は、悩むことが多く、
「自分はダメな人間なのではないか…」と思っている方もいるかと思います。
しかし、共感力が高くて感受性が豊かだなんで、
もし、自分のクラスにそんな子どもがいたら、あなたはどう思いますか?
私は、「ステキなところがある!」と
その子の個性を大切にしたい!と思います。
自分もHSPなので、自分のことをそんな風に認められない!と
思う気持ちもとても分かります。
でも、気質であるものを、ムリに変えようと思うより
「これが自分」と認めてしまうと、いろんなことが楽になります。
保育も、人間関係も、自分自身の生き方も。
HSC-子どものHSP(非常に敏感な子ども)
保育の中でHSPと発達障がいの子どもの特徴は重なるところがあります。
しかし、発達障がいの子どもが”人の心を察することが苦手”ならば
HSCの子どもは”人の心を察しすぎてしまう”のです。
子ども達がけんかした時に、大人が言ってしまいがちな
「相手の気持ちを考えて」ができすぎてしまう子ども達。
障がいととらえて考えるのではなく
その子の気質・個性と考えて、丁寧な対応を心がけたいですね。
HSCオススメ書籍
HSCの子育てハッピーアドバイス
![]() |
HSCの子育てハッピーアドバイス HSC=ひといちばい敏感な子 [ 明橋大二 ]
|
子どもの敏感さに困ったら読む本
![]() |
子どもの敏感さに困ったら読む本 児童精神科医が教えるHSCとの関わり方 [ 長沼 睦雄 ]
|
HSPの人の適職
保育・介護などの福祉業界・カウンセラーなどの職業は、共感力が高く、
相手の気持ちを察知することができるHSPに、向いている仕事だといえます。
芸術関係や動植物に関わる仕事も適しています。
また、保育の仕事は共感力だけでなく、
芸術を楽しむことのできる想像力や感受性、少しの変化に気付く力も必要となります。
まさに、HSPの特徴が生かされたお仕事になりますね。
ただ、マルチタスクは苦手とするので、業務量が多すぎたり、
一人で見なければいけない子どもの数が多すぎる時は、
HSP気質の保育士さんの良さを発揮できないことがあり、
逆に頑張りすぎてストレスを抱え、うつ病を発症してしまうことに。
自分自身の気質を理解した上で、好きな仕事をどんな形で続けて行きたいか、
一度考えてみても良いかもしれません。
2020.10.6