もくじ
麻しん(はしか)とは?
麻しんウイルスに感染することによって風邪症状と全身に発疹が起こる感染症です。
免疫を持っていない人がウイルスに感染している人に接触すると
100%発症する、感染力の非常に強い感染症です。
ワクチン接種などで一度免疫をつけると、一生免疫が持続すると言われています。
り患した人の約1000人に1人が脳炎を発症し、先進国であっても死亡の割合も高いとのことです。
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原因ウイルス
麻疹ウイルス
麻しん(はしか)の症状
発熱
38℃以上の高熱が出ます。
鼻水・せき
他にも、目の充血・目やになど、風邪のような症状が起こります。
コプリック斑
口の中の粘膜に白いぶつぶつができます。
発疹
赤くてかゆい発疹が、顔から全身に広がります。
合併症の危険性
抵抗力が下がるため、ほかの感染症にかかってしまったり
脳炎・中耳炎・熱性けいれん・肺炎を起こすことがあります。
脳炎や肺炎は重症となります。
10万人に1人の割合で、麻しんの発症から4~8年後の学童期に
亜急性硬化性全脳炎(SSPE)という重篤な合併症を発症することがあります。
潜伏期間
8~12日
感染経路
空気感染
感染者が吐く息に含まれるウイルスでも感染します。
密室だと、1時間以上、感染力のあるウイルスが浮遊しています。
飛沫感染
咳やくしゃみなどに含まれているウイルスによって感染します。
接触感染
感染者のからだには、ウイルスが付着していることがおおいため
感染している人に触れることで感染してしまいます。
保育園での感染対策
麻しんウイルスは、感染力が非常に強いため、予防は極めて困難です。
保育園では、入園前のワクチン接種の確認を徹底するとともに
保護者へ定期接種を周知しましょう。
罹患した子どもの登園のめやす
「解熱後3日を経過していること」
出席停止後の登園について
医師に診断された日から医師の許可が出るまでが
出席停止期間となります。
受診して発病がわかった場合は、すみやかに園に連絡してもらう、
医師に
「学校感染症等に係る登校・登園に関する意見書」
や「登園許可証明書」に記入してもらうなど
あらかじめ入園時にルールを確認してもらうようにしましょう。
「意見書」や「登園許可証明書」は、入園時に配っておいたり
園のホームページ等からダウンロードできるようにしておくなど
準備しておきましょう。
妊婦への影響と抗体検査のすすめ
ちょうど保護者や妊娠の可能性がある職員の年代である
1978~2005年生まれの方は、
麻しんの定期接種が1回であったため十分な免疫がついていない可能性があります。
※1977年以前は自然に免疫を獲得している可能性があり、
2006年以降は定期接種が2回となっているので
生涯免疫が獲得されている可能性が高いです。
妊婦が麻しんに感染してしまうと、3~4割の確率で流産や早産・死産の可能性があります。
特に職員の方は、風しんと合わせて抗体検査をしておくことをおすすめします。
じつは私も…
私は1980年代生まれですが、
私を含め、友人も4人、妊娠時に抗体をもっていないことがわかりました。
抗体を持っていない人はまわりにもいらっしゃるかもしれません。
抗体がない、と思いながら過ごした妊娠期間はとても怖かったです。
血液検査でできますので、
ぜひ、はやめに検査することをおすすめします。
妊娠中の職員・保護者への配慮
「保育所内で発生した場合には、すぐに保護者にこれを知らせ、
子どもの送迎時等における感染防止策を講じる。
妊娠中の職員については、流行が終息するまでの間休ませるなど、
勤務形態に配慮することが望まれる。」と記載されています。
保育園/麻しん(はしか)/おしらせ
2020.10.23